« 06年世界一周クルーズ=13・イオニア海を経てマルタ島に寄港(テーマナイト) | トップページ | 06年世界一周クルーズ=15・モナコ~マヨルカ島沖~マラガまで »

06年世界一周クルーズ=14・チビタベッキア寄港(オーバーランドツアー)

Italy2904_3 長靴形のイタリアのつま先と、シチリアを隔てる狭いメッシーナ海峡を抜けた。以前通過したときは、渦潮が発生する時間だった。それまで鳴門海峡の渦Italy2915潮を見たことがなかった私は大感激したものだ。今回も期待しながらデッキを歩き回ったが、どこにも渦は見えず、船は淡々と海峡を進むだけ。なんとなく拍子抜けしながら後部 のデッキへ移動すると、夫は仲間とデッキゴルフに興じていた。ゴルファーたちは例によってプレーの合間に両岸の景色を楽しんでいる。壁際にはシャッターチャンスには飛びつけるよう、大小のカメラが置いてある。もちろん、カメラを肩から斜め掛けにしたまま試合に参加している人もいる。

その後も「イタリアの伊豆大島」と私が勝手に呼んでいる活火山島・ストロンボリを一周。Italy2921_2 以前のように夜を待って訪れるのだろうかと半ば期待していた。漆黒の闇の中を真っ赤に燃えながら駆け下りてくる火砕流に、地球の息遣いを再び感じてみたかったが、そうは問屋が卸してくれなかった。今回は昼間で、山の頂上に白い煙が吹き上がり、時たま「ドーン」と噴火の音が響く。溶岩が飛び散るのが見える。ヒヤヒヤしながら島の周りを航行するのも、クルーズならではの醍醐味ではあるとわかった。

5月8日~11日。オーバーランドツアー[チビタベッキア(ローマ)~トスカーナ~リビエラ~モナコ]朝8時にはチビタベッキアに入港。ひなびた風情の港だが、支倉常長が上陸した歴史的な港である。この町の教会には彼の銅像も立っていると聞いたが、見に行く時間はなかった。これから私たち夫婦は、ローマを経てトスカーナ地方からリビエラ経由モナコまで3泊4日のオーバーランドツアーに参加するからだ。初めて寄港地の町歩きを棄権した。Italy2932 オーバーランドツアー=船が寄港地から寄港地へ移動する間に内陸部を観光して、再び船に合流するツアーのことである。たいていは飛行機を利用する。飛行機がまったくダメ!な私は、オーバーランドツアーなど考えたこともなかった。それに、せっかくの船旅なのに寄港する町や航行する海の上での生活を体験しないでどうするの?という思いもあった。しかし今回のクルーズのイタリアでは、バスでシエナ、サンジミアーノ、フィレンツェ、ピサを回り、リビエラ海岸からモナコへ入るという案内に「参加したい」という気になった。私はその世界遺産の4つの街に一度も行ったことがなかった。その間に阿刀田高さんの船上講演があるとしたら残念だが、日本でもきっと講演を聴く機会はあるだろうと、思い切って申し込んだ。ところがなんと!阿刀田夫妻もツアー参加組だった。ただ、阿刀田氏は奥さんを残してときどき雲隠れする。どうも出版社の方と会う予定があるようで、売れっ子作家はなるほど大変なスケジュールの中で生活をしているのだな、と改めて思った。

Italy2946 総勢12名の団体でイザ出発。まず港から80キロ離れた、これも世界遺産の街ローマとヴァチカン市国を終日観光。ローマ市内に1泊。何十年か前に夫と来たときと、ほとんど変わっていない街を歩く。それでもコロッセオにはエレベータが備えられていて驚いた。そんな便利さは加わらなくてもいいんじゃないかなあと思いながらも利用した。上の回廊から見下ろすと、剣闘場の床が半分だけ張られ、半分は地下が見えるようにしてある。奴隷や猛獣が入れられていた仕切りのある狭い小さな部屋が上から見下ろせる。何万という観衆の前で猛獣と死闘する剣闘士。古代ローマ史の1ページが目の前に広がるように思え、床を半分あけたのは、正解!とも思った。一瞬の郷愁に浸れたのはフォロロマーノの脇をバスで通ったとき。「あの場所にジェラートの屋台が出ていて、買いに行ったわね」「あれはウマカッタね~。また食べたいね」

Siena998Siena3018シエナが近づくと、黄色い台地が見えてきた。小学生のとき、土の色を表現するために塗 った色だ。クレオンに巻かれた紙には「おうどいろ」と書いてあったのに、買い足しに文房具屋に行くと同じ色が「シエナ」と変更されていた。あの色だ。建ち並ぶ家の壁も同じ色。なるほどシエナか! 黄土色の元はここの土なのだ、と「土の色」に感動。この街の「世界一美しい」と言われるカンポ広場は裸馬に騎乗して走るパリオという祭で有名でもあるが、私にはシエナ色の産地を歩いた感激の方が大きく残りそうだった。

Italy3034「塔の町」といわれるサン・ジミアーノでは、狭くて急な坂道の頂上にジェラート専門の店 があった。ジェラートが盛られたコーンをItaly3037片手に店 を出てくる人たちを見ているうちに、いつの間にか私も店内に入っていた。ところで、外国でアイスクリームを買うたびに思うのだが、なぜ一個がこうも巨大なのだろう。日本の倍くらいの量で、融ける前に食べきるのは一苦労だ。テクニックを要する。ここでの一番の思い出は、坂の上の小さな画廊で阿刀田さんの奥様と一緒に同じ絵を買い求めたことだ。夕日の中に浮かぶサン・ジミアーノの景色を描いた小品である。

フィレンツェでは、かの有名なドゥオモ、ウフィッツ美術館、ベッキオ橋・・・と、名所旧跡を Firenze3108_3 歩き回った。どれもが心に残ったが、美術館はゆっくりと回りたかPisa3125った。ローマの一日を、ウフィッツ美術館に当てて欲しかったくらいだ。私にとってローマは「おまけ」だったのだ。そしてピサ。世界遺産でもあるが、観光メッカでもあるピサに来てしまった。フィレン ツェの丘の上から眺めた市街の荘厳な景色の感動の余韻が心の中に鳴り響いていた私は、斜塔の前で不遜にも、全盛期の熱海の町を思い出していた。前の三つの町でも観光客は多かった。が、ピサでは私自身が疲れてきてもいたからだろうが、驚くほどの人の群れ、群れ、群れ!に押しつぶされるかと錯覚するほどだった。しかも観光客同士のつかみ合いのケンカを見るにいたっては、歴史の重みを感じる前に、興ざめしてしまった。ピサよ、斜塔よ、ゴメンね、といったところだ。

  フィレンツェではしっとりと歴史の中にたたずむホテルの部屋からドゥオモを遠望し、リRiviera3145 Italy3051_2 ビエラの海岸では地中海を望む近代的なホテルに宿泊した。じつに対照的なホテルを経験した。フィレンツェのホテルの外壁は、ドゥオモの屋根の色に似た落ち着いたレンガ色、リビエラのホテルの外壁は穏やかなピンク。リビエラ海岸沿いのホテルにピンクの壁が多いのは、なぜだろうと考えた。多分、朝日や夕日に照らされた壁が映えるように考えられたのではないだろうか、さすが芸術の国の避暑地だと、私なりの結論を出したが、本当はどうなのだろう。

ツアー最後の日の朝、ホテルを出発したバスは12名を乗せてジOn_the_way_to_monaco3179ェノヴァ湾を見下ろす山のハイウェイをモナコまでひた走る。まぶしく光る海を遠くに眺めながら、ガイドの説明に「あ、ジェノヴァの町!」「あ、あそこがサンレモなのね!」とはしゃいだ。海岸線から目を転じると、連なる山の向こうには雪をいただくアルプスの山。「マッターホルンかしら」と歓声があがる。途中で、ヨーロッパのブランド物バッグを作る工場へ立ち寄った。そう、洋の東西を問わずツアーでは、みやげ物店に寄るのは当たり前なのだった。お定まりの観光ルートなのだ。何も買わないつもりだったが、突然思いついた。そうそう、ここで、妹や息子の嫁たちにお土産を買っておこうと。

昼近くなってモナコを見下ろす崖の上に到着。眼下に私たちの船が停泊しているのが見える。我が家が見えてきた気分だ。展望台で下車し、降り注ぐ太陽の下で背後にモナコのMonaco3246 町を入れ込み、写真を撮ってもらった。「グレース王妃が事故に遭った」という場所を通過するが、なるほど、運転には相当気を使う山道だ。日光のいろは坂よりさらにきつい急坂を何度も折り返して下り、モンテカルロの街に入る。切り立つような崖の斜面にも家が建っているが、そこはフランスなのだそうだ。モナコは総面積が2k㎡だとか、本当に狭い土地で、そこに豪華な邸宅やマンションがひしめいている。ここに住むためには年収が物を言うそうだ。夢のまた夢の世界を垣間見てため息をつくばかり。

Monaco3252私たちの別荘がある熱海はサンレモと姉妹都市だが、モンテカルロと姉妹都市のほうがしっくりするのではないかと思った。熱海も山と海の間にある平らな土地は狭い。その上、カジノを開きたがっているのだ。そんなことを考えているうちにモンテカルロに入る。もうすぐF1グランプリが開催されるとあって、道には観客席や看板などの準備が着々となされていた。海を眺めるレストランで昼食を済ませると、王宮、カジノなど一通りの観光をしたあとシャトルボートに乗り込み沖に停泊して待つ「我が家」を目指す。モナコの海は遠浅なのだった。

寄港地からオーバーランドツアーに出るときは、ちゃんと寄港地の観光もしてくれるので、「寄港地なのにその町を見なかった」ということはない。満ち足りた2泊3日のツアーはここで「the end」。明日からは、また船上生活が始まるが、次の寄港地は2日後のマラガである。

|

« 06年世界一周クルーズ=13・イオニア海を経てマルタ島に寄港(テーマナイト) | トップページ | 06年世界一周クルーズ=15・モナコ~マヨルカ島沖~マラガまで »

旅行・地域」カテゴリの記事

船旅・クルーズ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/216679/42676470

この記事へのトラックバック一覧です: 06年世界一周クルーズ=14・チビタベッキア寄港(オーバーランドツアー):

« 06年世界一周クルーズ=13・イオニア海を経てマルタ島に寄港(テーマナイト) | トップページ | 06年世界一周クルーズ=15・モナコ~マヨルカ島沖~マラガまで »